高齢者の親を持ち方にとって、いきなりやってくるのは介護問題。うちの親は大丈夫だろうと思っていたのに、この間帰省したら急に足腰悪くて転びそうだったな、電話した時に辻褄の合わない会話をしたな、と感じることはありませんか。
こんな時にふとよぎるのは、介護はお金がかかるのかなということではないでしょうか。実際に介護に必要になった場合、親の年金だけでやっていけるのか、すでに子どもである自身の皆さんが親御さんの生活費等を負担しているのであれば、これ以上負担が増えるのかなど、色々と不安に感じることがあるのではないでしょうか。さらに、自分自身も高齢者となる途中の段階で将来に備え準備をしたいのに、親のお金のことで負担しなければいけないのか、自分の子どもがこれから大学進学などでお金がかかるのに、親の介護のお金のことがわからなくて不安が増すことはないでしょうか。
今回は、
・実際に介護にかかるお金とはどんなものなのか
・介護にかかるお金はどれくらいか、詳しく知るには介護保険について知ろう
・お金のことで相談する窓口はあるのか
の3つのポイントにわかりやすく分けてまとめています。
お話をするにあたり、なぜ私が今回介護のお金のことについてお話しするかについて紹介をさせていただきます。私は、高齢者の総合相談を受ける場所である地域包括支援センターで働いた経験があり、高齢者の介護にかかるお金相談をたくさん受けてきました。また、実際に義理の父と自身の父の介護をしてきた経験もあります。そのため、介護にかかるお金のことは不安に思う人が多いのではないかと思ったので、介護にかかるお金、施設を利用するのにかかるお金についてわかりやすく説明できればと思い記事をまとめました。
この記事を読んでくださる方々の多くは、自分自身で自分のことは十分できる方がほとんどではないでしょうか。日常生活のことは自分自身でできる状態でしょう。このような方を、ADL(日常生活動作)が自立しているといいます。日常生活のことであれば、手助けがいらずに生活できます。介護が必要な方というのは、ADLが自立できていない方のことを指します。例えば、寝ていて起き上がるのに誰かの手助けがいる、お風呂に一人で入れないなどです。そうではなくても、長い時間立つことが難しいとなれば、ご飯の用意ができないなどのことも生じます。このような状態であれば、食事の用意ができない、自分自身で買い物に行けないことも考えられます。このように、日常生活の中で自立して生活できない状態の時に介護が必要になってきます。
介護といっても、その内容は様々です。その人の身体状態などで、必要なものが大きく異なってきます。自宅で生活することが困難なこともあるでしょう。高齢者の日々の生活を維持するために介護が必要となってきます。
これは、介護される人がどのような状態であるかで大きく異なります。また、その方が何を望まれるかでも異なってきます。具体的には、一人で出かけることができないから買い物が必要な人のために買い物支援が必要、入浴するのは一人ではできないから入浴に関する支援が必要だけど、お風呂が好きだから週3回は入浴したい、一人暮らしは限界で施設に入所したほうがいいのではないかなどです。
介護にかかるお金のことを知るためには、介護保険のことを詳しく知る必要があります。介護保険は身体状態などにより介護度という介護段階が定められており要支援1から要介護5までの7段階になっています。その介護度により、月間で使用できる支給額(介護保険サービスを利用できる料金)が決められています。表で示すと以下のようになります。
介護度 区分支給限度額 負担額(1割) 負担額(2割) 負担額(3割)
要支援1 50,320円 5,032円 10,064円 15,096円
要支援2 105,310円 10,531円 21,062円 31,593円
要介護1 167,650円 16,765円 33,530円 50,295円
要介護2 197,050円 19,705円 39,410円 59,115円
要介護3 270,480円 27,048円 54,096円 81,144円
要介護4 309,380円 30,938円 61,876円 92,814円
要介護5 362,170円 36,217円 72,434円 108,651円
実際には負担額というものが、利用者が志原金額になります。負担額というのは、利用者の年金支給額により決められており、年金支給額により利用者の負担額が2割、3割となります。これはあくまでも利用したサービスの両院になります。
例えば、デイサービスというサービスがありますが、出井サービスを利用した場合、1日利用であれば昼食なども付くため、これに食費が実費でかかったりしてきます。また、同じデイサービスを利用したとしても、利用者の開度語が上がればサービス料は上がります。(要支援の方よりも、要介護の方は介護度が高いので、介護に要するサービスも増えるということです)
表に示しているのは、利用者の方が在宅でサービスを利用した場合の利用額になります。施設などに入所した際にかかってくる利用料は、また異なってきます。
このようなサービスを利用するにはどうしたらいいの、サービスはどのようなものがあり、どの世に利用したらいいのかなどは、実際に利用する段階が来た時に、介護支援専門員(ケアマネージャー)の方が決めることになっています。介護保険のサービス利用は、介護支援専門員の方が、ケアプランと呼ばれる利用者の方が利用する計画表を作成しなければ利用できないことになっています。
まとめると、
介護が必要だと感じたら、介護保険を申請しましょう
介護にかかるお金は、介護保険を申請したときに認定された介護認定区分で変わってくる
実費でかかってくるお金がある(食費など)
在宅か施設入所をするかで利用額は大きく変わる
厳密にいえば、お金のことで相談する窓口ではありませんが、親の介護のことやそれにまつわることなどの相談は、お住まいの地域に設置されている「地域包括支援センター」で相談することができます。実際に私は地域包括支援センターで、医療面を中心とした相談を受けていましたが、お金に関する相談も本当に多く受けました。親の介護のことで、お金に関することで困ったなと感じることがあれば地域包括支援センターに相談しるのがいいのではないでしょうか。介護や医療、法制度に関する情報など、様々な情報を提供してくれます。介護される本人や家族の希望をきちんと伝えれば、有益な情報を得ることができ、持っていた不安も軽減されるのではないかと思います。
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